気持ちになる
気持ちの表れを標榜していながら、あまり気持ちを素直に書くことができていない。そもそも僕は文章がかなり下手で、横道に横道に逸れてなんだかわからなくなることが非常に多い。今も「横道に~」のあたりで別なことを書きそうになったし、いま打った文も「横道に~」なんて詳しい箇所を述べないほうがすっきり読めたんじゃないか、とか考えている。
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ここまでを見返してみると、「そもそも僕は~」からすでに逸れているわけで、そもそも、から始めてもいいけれど二文めの終わり方は一文めを受ける形にしないとダメだろう。さらに逸れ方の解説を三文めで始めてしまったために本当に逸れてしまっている。本当に下手。なかなかな能力だ。
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祖父が一昨年亡くなってから、精神の変質についてよく考える。彼は元々かなり几帳面な性質で、なにごともきっちりしていないと気がすまないのだった。晩年の5年ほどは体調が悪く、なかなか自室から出られなかったが、自分の飲む薬の量や排泄物の量などを毎日事細かに記録していた。世話をしている祖母へもその几帳面さを強要し、時に嫌味なことを言ってしまうために、夫婦は二人ともかなり疲れてしまっていた。僕の記憶している限り、昔の彼はそうではなかった。もっと彼の妻を尊重していた。環境が変わってしまい、老いてしまうためにそのように精神が変質してしまうのだろうか、と彼が亡くなってから考えた。それは恐ろしいことだと思った。
自分は自分だと信じ込みながらも、常に少しずつ変わっている。5年前の自分を振り返ると、自分はかなり幼稚だったと感じるし、浅はかな行動の一つ一つの際にどんなことを思っていたのか思い出せないことがとても多い。次の5年もどんどん変質していくのだろうか、それとも軸が出来上がって変化は緩やかになっていくのだろうか。今はまだ20代前半なので、今までの5年間とこれからの5年間では話が違うと思っているけれど、実際のところはどうなのだろう。「人間は常に成長できる」なんて言われたりもするけれど、精神の変質がいつもいい方向への成長だとは僕には思えない。慣れや諦めが定着してしまうために起こる変化がきっとたくさんあって、心を守るつもりの姿勢が心の別の部分を硬化させているんじゃないかと思う。
これ以上書くと横道に逸れそうなので、今日はここまで。おわり。
人間椅子の新譜「怪談 そして死とエロス」 あまりに情景が目に浮かぶ曲ばかりなので思うまま書いてしまおうと思った
2月3日発売の人間椅子の新アルバム「怪談 そして死とエロス」を店着日に購入した。人間椅子は毎回曲のテーマ、歌詞、楽器隊がしっかりと一つにまとまっているのが特徴だと思っているのだけれど、今回はどれも一回聴いたときから情景が目に浮かぶものばかりで、少し感動した。
せっかくなのでファーストインプレッションを書いておこうと思って記事にした。なのでこれはレビューなんておこがましいものではなく、単に自分の目に浮かんだ情景や感想を書くだけのコーナーです。まだ聴いていない人はイメージが固まってしまうのを避けるためにも、何回か聴いてから読んでいただいたほうが絶対に良いと思う。
人間椅子「恐怖の大王」 (Ningen Isu - Great king of terror )
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Realization
最近、余りにもなにもできない。「やるまでは億劫だけど、手をつけ始めるとやる気が起きるんだよ~科学的にも立証されてるんだよ~」みたいなやつの、手をつけ始めるがいつまでもできない。たぶんその状態が年末から続いていて、本当にまずい自覚がある。でも動けない。ものすごく寝てしまう。
すこしずつ片付けるのが最良だ。テスト前は、テスト前日に焦り始めるから最悪で、1週間前から始めていればまあまあ、2週間前ならなお良し、3週間前…。そんな話はもちろんわかっている。すこぶる合理的。なんでできないんだろう。中学校までは特にテスト勉強をしなくても点数が取れていたのが一因かもしれない。塾にも通っていたけれど、塾の宿題もロクにやった記憶がない。あのころって何をしていたんだろう。僕は昔を思い出しにくい。高校を卒業しても、大学を卒業しても、ギリギリまで何もせず、結果上手くいくかどうかは50%、みたいな性質がまるで改善しなかった。おそらく50%上手くいってしまっているのが原因なのだけれど、そのせいで痛い目をたくさん見てきたはずだし、こんなの全然大人じゃないこともよくわかっている(よくはわかっていないのだと思う)。大人というのは自然になるものではない。不自然になる・つくるものだと思っている。そろそろ大人になる歳になってしまった。結婚もするつもりだし、子供もつくるつもりなので、やはりそろそろ、大人になる必要がでてきた。
昔を思い出すのが苦手なのと、反省が苦手なのが原因だ。たくさん思い出して、反省しよう。猫背を治すみたいに、意識することが大切だと思う。おわり。
機内にて
変則チューニングについて
変則チューニングに出会ったきっかけについて。
エレキギターを8年、エレキベースを4年ほど続けています。ギターを始めて3年目くらいのときにInMeというイギリスのバンドを好きになりました。ジャケになぜか一目ぼれをしてしまい、中身も好みでした。ジャケはこんなのですが、このカカシの女の子がやたら好きです。
本当に好きで、1曲コピーをやったんですね。Myths & Photographsという曲です。
Inme - Daydream Anonymous - Myths ...
この曲はギターボーカルの3ピースで、冒頭のギターがけっこう難しいです。そんなに有名なバンドでもないのでバンドスコアもなく、耳コピをすることになりました。初めの音からドロップD(6弦を1音下げたチューニングにする)だということがわかったので、そこからどうにかこうにかコピーをしました。タッピングが混ざった印象的なイントロで本当にかっこいいです。コピーバンドでライヴをした当日の演奏がどうだったか正直あんまり覚えてないんですが、お客さんは誰もこの曲を知らないし、ポカーンだったような気がします。
1年ほど経って、この曲のギターをコピーしている動画を見つけて、びっくりすることがありました。6弦を1音下げるのは間違っていなかったのですが、3弦を1音上げたチューニングだったのです。6弦からDADABEというチューニングになりますが、そんなチューニングのしかたは聞いたことがありませんでした。このチューニングで弾いてみるとイントロは圧倒的に弾きやすくなります。聴きなおしてみると、ハーモニクスの音が普通のチューニングではまず出せないような音だったり、1音上げた3弦の開放の音も聞こえます。聞えていたけれど自分の先入観のせいで、チューニングを変えるという発想がなかったのです。これは衝撃的でした。チューニングありきの曲!漠然と、人と違うことをしたいと考えていた自分にとって、ピッタリハマってしまいました。
これはその後始めたバンドで作った曲のアコースティックバージョンです。低い音を出したかったことと、ベーシストが5弦ベースだったこともあり、チューニングはBF#DGBE(6弦が2音半下げ、5弦が1音半下げ)でした。このバンドではほとんどこのチューニングで曲を作ったのですが、本当に面白くて、一人で複雑な音の並びが出せるので大好きなチューニングです。
これは4ヶ月前に「深夜の2時間DTM」という企画で、お題:BPM160で作った曲です。2時間でどうにかこうにか作りました。チューニングはDADABEで、3カポです。最近はテクニカルなマスロックにはまっていて、でもスキルがそれほどあるわけではないのでチューニングに頼る、というようなことをしています。レギュラーチューニングのよさを再確認したり、7弦、8弦ギターが欲しくなったり、色々な効果があります。おわり。
8月について その3
祖母が亡くなった1週間後、友人からメールが来ていて、高校の友人Kが亡くなったことを知った。メールをもらった当日が葬式で、急いで先週も着た喪服を準備した。
Kはハンドボールをしていて、大して活動もしていない軽音楽部でギターを弾いていた自分よりは、断然人気者だった。でも誰とでも、本当に誰とでも話せる人柄で、狭い範囲しか関わっていない自分の高校生活の中でも、かなり仲良くしてくれた友人の一人だと思う。音楽の趣味が一緒で、ELLEGARDENやONE OK ROCKの話をした。カラオケでエルレの「PUNK」を歌っていた。ドラムに興味があると言っていて、今思い返すと、あの時もう少し強く誘っていれば一緒にバンドをしていたかもしれない。
彼は四国にいて、よさこいの団体に参加していた。本番が終わったその夜、毎年のお決まりで、Kは仲間と一緒に川に飛び込んだ。前日の雨で増水していた川に飛び込んだKは、一度目は無事に橋の上に戻ってきたが、二度目は川から上がってこず、Kの身体は翌朝下流で発見された。その夜の葬式は、事故から5日も経ち、彼の身体はもう骨になった後に地元に戻ってきて行われたものだった。あまりに唐突で式の間は涙が出なかったが、焼香のために前に出てKの笑顔の写真を見たとたんに涙があふれた。彼の両親はもう気持ちの整理がついているのか、穏やかな顔で挨拶をしてくれた。結局久しぶりに会う高校の友人たちとあまり話すこともできず、家まで歩いて帰った。歩きながら、泣きながら、どう考えても奴自身が一番悪くて、ばかだと思った。
当たり前に、何年か経って再会して、ゆっくり酒でも飲むのだと思っていた。なんとなく今でもそう思っているかもしれない。8月に死んだ3人について、会えないだけで、どこかの街で生きているのだと思っている気がする。
8月について おわり。